依存症にはいくつかの種類があり、その性質に関係なく、ほとんどの場合は思春期の若者が依存対象になる。国の見解では最も危険なのはインターネットや電子機器への依存である。この依存症は簡単に身につき、特に若い頃から始めると頭から抜けにくい。これを「ザドロツ」と呼び、現在はこの病気にかかった子どもたちのために特別な施設が設置され、正しい道へ導く。主人公のヒビキは、この「病」にかかった子どもたちの一人で、しばらくこの療養所にいる。だが、「治療」と称されるものは暴力であり、いわゆる「ザドロツ」は子どもたちから血と涙で取り除かれる。ヒビキの頭には、ここに滞在した初日から「これは療養所ではなく刑務所だ」というフレーズが頭に残っている。もちろん、ここから逃げたいと思うのは彼だけではないが、外側に入口しかなく、中には扉や窓の兆候もないので、本当に逃げられるかどうかは疑問だ。
