繁栄する港町イタを荒廃した戦国国家パロに結びつけていた休戦は、最終的にパロの貪欲な王がイタを襲撃し、その富を略奪する計画を立てたときに崩壊した。この陰惨な裏切りの後、両陣営で高まる敵意がイタの王女アナスとパロの王子ジルの喜びを乱す。二人はお互いを大切に思う恋人同士である。
静かな集落サキの農民たちも不安を抱えている。彼らの畑はイタとパロの間に位置し、迫り来る戦争の危険にさらされている。それでも一人の村人は恐れを抱かない。活発で野心的な青年イズは、戦争を名声と富を得るチャンスだと見ている。パロの大きな報酬を約束する言葉に引かれ、彼は熱心に王国の召集を受け入れ、献身的な妻マリンに再び一緒になれると約束する。
心を痛めたマリンは、夫の無事な帰還を祈りに向かう。同時にアナスとジルは、義務や家族の敵意が二人の絆を切ることを許さない。真摯な愛が愚かさと貪欲に勝利できるのか、あるいは小さな野心に屈するのか、その結末は不確かである。