吉野一樹と仁藤優也はアイドルペア「ZINGS」を結成している。吉野は毎公演に全力を注ぐ一方、優也はその役割を単なる給料としか見ていない。ファンに対する無関心と真剣さの欠如がマネージャーを動かし、彼に対して「立ち上がらなければ解雇だ」という最後通告を出す。マネージャーの警告は、いつも批判を肩に叩き込んでいた優也を揺さぶる。
舞台裏で、優也は鮮やかな衣装を纏ったアイドル・朝日最上に出会う。朝日は、前年に亡くなる前なら有望な未来を手に入れられたはずだった。霊としても、彼女の唯一の願いは観客に舞台へ戻ることだ。優也が彼女と同じ熱意を欠いていることに気づいた朝日は怒り狂い、彼にそのポジションを譲るよう要求する。予想外にも、優也は目覚めた瞬間に朝日が彼を支配し、通常なら怠るであろう仕事をこなしているのに気づく。朝日は透明ながら、生前と同じカリスマ性を保っている。
朝日の存在で、優也は楽にアイドルとしてのキャリアを確保したと信じる。しかし彼女には別の意図がある。死んでいるにも関わらず、朝日は優也に自分の中にまだ残るやる気を再発見させようと促す。二人は共に、今までで最も優れたアイドルになることを目指す。優也の初めての興奮は、必要な努力に気づくと疑念へと変わる。しかし、優也のように情熱がない人は、お金以外の何かを本当に大切に思えるだろうか?