夏休みの最終日、青葉小音はついに母親と長らく期待していた午後を過ごす予定だったが、仕事の都合でその希望は打ち消されてしまう。代わりに外へ出ることを選び、彼女は小径を歩く―その曲がり角ごとに温かな思い出と松の香りが呼び起こされる。
秋の中頃、倉上日向と雪村葵は子供時代の写真アルバムをめくる。葵の寝室を探検していると、日向は記念として保管されていた奇妙なカギノキの実を見つけるが、なぜそれを保っていたかは思い出せない。発見は眠り続けていた記憶を呼び覚まし、彼女を忘れ去られた青春の一幕へと引き戻す。彼女はその日の余韻に微笑む。
家族とのひとときから古い約束まで、『山のすすめ:思い出プレゼント』は、三人の少女が過去の記憶を敬いつつ、新たな思い出を作り続ける姿を追う。彼女らは新しい物語を糸のように編み込み、共有する未来へと繋げていく。明るい明日と永続的な喜びのために。