15歳の放蕩者、ツクネ・アオノは、友だち全員が入学した高校の入試に落ちてしまった。彼は一年間姿を消すところだったが、父親の手に届いたのは「幽霊アカデミー」への招待状だった。あの学校は成績に関係なく入学できるというものだ。幸せそうな両親はすぐに息子を旅へと連れ出したが、考えれば…。ツクネはバスが長いトンネルから出て、ラヴクラフトに相応しい世界へと飛び込んだ瞬間にそれを悟った。そこは赤い空、携帯電話の電波がなく、話すネズミが飛んでいる世界だった。ところどころ、彼は全てを忘れてしまった。文字通り空から降ってきた神秘的な美女、モカが彼に落ちてきたときだ。彼女は友達を探しながら旅していた（ツクネはすぐに彼女と一緒に入学した）。普通の少年が「妖怪」の学校へ連れ込まれることに何の違いもない？ 彼らはクラスでオーガ・食人鬼、魔女、人狼、サキュバスと一緒に座っている。普通の日本の学校でそれがいいと思うか？ さらに、新しい彼女の胸にあるペンダントを外すと、彼女は最高位の吸血鬼――モンスターのプリンセスに変わるという事実さえ、若き哲学者を怖がらせない。彼は「形」ではなく「内容」が重要だとしっかり理解している。ところで、ツクネはどのようにして、死者を殺す防護バリアを持つ魔法学校へ侵入したのだろうか？
