父の突然の死後、久我一郎は思いがけず二人の弟妹の保護者になる。家賃や光熱費、兄弟たちの日常的な必要をこなしながら、大手出版社との契約獲得を目指す。財政を立て直すため、相続したアパートの部屋を貸し出し、少女漫画制作に専念する。しかし本は売れず、助手も最近辞め、迫る締切に圧倒されそうだ。
圧力が耐え難いとき、熟練の新人・五色詩織が助手として加わる。彼女の才能で状況は安定し、進展が見え始める。そこへ、一郎と詩織の間で奇妙な超自然的トラブルが起き、彼女は「婚約した」と宣言する。
この一見些細な発表が、一郎の世界を混乱させる。彼は謎めいた少女との奇妙な新関係を乗り越えつつ、芸術的野望と肩にある責任を追求し続けなければならない。