ISUCA

浅野 真一郎の人生は、連続した不運に満ちている。両親は彼を捨て、ヨーロッパへ逃げ去り、ほとんど生活費を残さなかった。彼はコンビニでアルバイトをしているが、給料は生活費をまかり通す程度にしかない。貯金もなく、家賃を払って屋根の上に住むためには仕事を見つけなければならない。最近、前の職場から解雇され、高校生としてはほかに選択肢が少ない。

ある晩、帰宅途中で千足のような怪物に襲われる。弓矢を持つ謎めいた少女に救出され、後に彼女が学校の目立つ生徒・島津 佐久夜であることが判明する。彼が別の負傷した少女を助けると、二つの真実が明らかになる。被害者は人間ではなく、古代の二尾の悪魔猫・猫又であり、佐久夜は何世紀にもわたり人類を狂った霊から守ってきた除霊師の血筋に属している。真一郎が不注意で猫又を解き放ってしまったため、佐久夜は彼に捕獲を手伝うよう頼む。これが二人の絆の始まりにすぎない。

島津家は長い間超自然的脅威から守ってきた実績があり、評判は先に立つ。家族はハウスキーパーを必要としており、真一郎は料理が得意で掃除も好きなため、偶然その役割に適している。彼はこの役割を担うとき、恐怖と責任感が入り混じった奇妙な気持ちを抱く。夢の職業ではないかもしれないが、家賃を払え、食事も提供できるのだ。