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鉄子の旅

Tetsuko no Tabi

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説明

千木直江と横見浩彦によるセイニ漫画を基に、IKKIで連載された作品です。前提はシンプルながら興味深いものです。漫画家が編集者に雇われ、旅行作家の同行をして日本各地の列車旅を追い、その体験を漫画にまとめるというものです。この作品を際立たせているのは、フィクション化された冒険ではなく、作者自身がすべての旅を実際に行い、ページは出来事を忠実に記録している点です。冒頭の注釈には「これはノンフィクションです。演出がないことをお詫びします」とあり、物語は主に列車に乗り、プラットフォームで待ち、駅を移動するという日常的なルーティンに沿っています。

旅行作家は、鉄道網を内外まで熟知し、各旅程を秒単位で綿密に計画する熱狂的な列車愛好家です。彼の執着は、スケジュールを守り、自ら設定したすべての目標を達成することにあります。例えば、珍しいサービスを利用するために奇数順で特定の路線上のすべての駅を訪れるなどです。一方、漫画家は皮肉屋でサルコラスティックでやや怠惰です。彼女は鉄道の歴史よりも次の「駅弁」に興味を持っています。彼は時刻表が守られる限り熱心であり、両者の優先順位の衝突が多くのユーモアを生み出します。

平凡な前提にもかかわらず、物語は鮮明にリアルです。日本の列車に乗ったことがある人なら、風景やエンジンのハミング、混雑したプラットフォームでの静かな緊張感をすぐに認識できるでしょう。漫画家のペーシングはタイトで、微妙な調整が物語を通じて引き込む力を保っています。さらにリアリズムの層が加わるのは、漫画に登場する一部キャラクターが実際に作者の旅先で現れた実在人物であるという事実です。彼らは前の章を読んだ後、次の章で再登場し、再帰的なループを作り出します。

日常的な旅の合間に、読者はあまり知られていない鉄道線や駅を発見し、それらが本当に興味深く、いくつかは印象的な美学を持っています。常にシュールな雰囲気が漂いますが、旅は列車愛好家の目標―日本全国の9,843駅すべてを訪れること―によって推進されます。彼は各停車駅を味わうべき体験ではなく、チェックリスト上の一点として扱い、列車オタク文化への洞察を提供します。物語は一人の執着家に焦点を当てていますが、周辺には列車ファンのコンベンションや習慣への言及が満ちており、読者にそのサブカルチャーのより広い感覚を与えます。


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