この作品は、エネルギー企業のプロモーション活動の一環として専門的なアニメコンテストに応募されましたが、最終的には選ばれませんでした。原因は明らかです:物語は資源が枯渇した惑星を舞台に展開されており、地球の資源を大量に消費する企業には不適切な背景です。さらに、主人公は太陽光を収集し電力に変換できる女性アンドロイドと出会い、従来のエネルギー企業に依存しない存在となります。さらに、そのアンドロイドは地球を周回する既存の太陽光発電ネットワークを守るために自ら犠牲になります。
創造的な野心はあったものの、企業メッセージとの整合性を重視する審査員には響きませんでした。環境の枯渇に焦点を当てた物語は、持続可能なエネルギー生産という企業イメージと鋭く対立します。アンドロイドの自滅は高貴な行為として描かれましたが、結果的に企業が推進しようとした太陽光インフラを逆に弱体化させてしまいました。
手塚治虫がこのコンペで拒否されたのは驚くべきことではなく、彼自身が原案から脚本・アニメーション・ナレーションまで全てを監修し、イベントが電力会社によって資金提供されていることを十分に認識していたことが明らかです。