1944年、戦争の最終章に差し掛かった昭和時代の夏。漫画家になることを夢見る兵士、タマルは太平洋戦争の終結期にペレリウ島へと足を運んだ。島は緑豊かな森と珊瑚礁に囲まれた楽園のようだったが、同時に5万人の日本兵と米軍兵士が死をもって闘った戦場でもあった。そんな中、4万8千人の米軍精鋭部隊が東アジア最高と評される貴重な飛行場を奪取するため攻撃を開始した。1万5千人の日本軍は敵に立ち向かい「全力で耐え抜く」よう命じられた。彼らを動かしたのは何だったのか、そして遠く離れた故郷から離れたこの孤島で彼らの心は何を占めていたのか。戦時期に生きた若者から語られる忘れ去られた真実の証言だ、戦場の熱気の中で。