13年前に親を亡くした悲劇の後、高校生の青井葵は姉・アカネと同居している。アカネが唯一の世話係であるため、葵は卒業後に東京へ行く計画を立て、姉の負担を軽減しつつ、アカネの元彼・金村新之介（通称「シンノ」）に触発された音楽キャリアを追い求める。シンノは家族の悲劇後、東京へ移りプロギタリストになるためにバンドを離れたが、その後姿を消した。
ある日、葵がゲストハウスでベースの練習をしていると、過去から来た18歳のシンノに出会いショックを受ける。シンノも故郷へ戻っているが、彼は変貌を遂げていた。若いシンノの突然の登場が古い記憶を呼び覚まし、葵は過去と未来に直面せざるを得ない。今、二つのシンノが共存しているが、若い方が現れた理由は不明だ。
『空の青さを知る人よ』は、四人の人物が互いに抱く感情と、それぞれの人生を形作る選択に苦しむ姿を追う物語である。
