北原春樹の軽音部は解散寸前で揺れている。
この調子では、彼が三年生の時に学校祭で演奏したいという夢は誰にも実現しないだろう。
しかし、疲れた指先が『ホワイト・アルバム』のコードを弾くと、彼が初めて演奏する曲であるそのメロディーに、幽玄な声と謎めいたピアノが彼の一人で静かに弾くギターと調和し始める。
それは春樹にとってすべての幕開けを告げる重要な演奏だ。
『ホワイト・アルバム2』は、複雑なロマンスと電撃的な音楽で春樹の最終学期をコレオグラフィーし、彼が長らく憧れたステージのカーテンを開ける瞬間を描いている…